沖縄県空手道連盟会長挨拶

 このたび見事初段に合格した、剛柔流の佐和田雄軌君、小林流の城島健人君、そして松林流の名城政秀君、おめでとうございます。沖縄県空手道連盟を代表し、心からお祝い申し上げます。皆さんの昇段は、これまでの精進の賜物であり、これから黒帯を締めるものとして、空手の技のみならず、人間にも磨きをかけ、心技体のますますの充実を図っていただきたいと願っております。

学校教育の必修授業として、カリキュラムに則って、空手を学習した成果としての、段位の取得は、沖縄の伝統空手の歴史上初めてのことであり、連盟として喜びもひとしおであります。また、このたびの昇段は、正規の教育機関が沖縄伝統空手の、確固たる、伝承および普及の場となりうることを、確信させてくれた点でも、意義深いものであります。このような機会を与えてくださった、沖縄尚学の名城政次郎校長先生、ならびに名城政一郎副校長先生に心よりお礼申し上げるとともに、今回の成果を、ともに喜びたいと思っております。

2007年9月に、沖縄県空手道連盟と学校法人尚学学園が、空手道指導に関する協定書を締結し、空手授業を導入して2年7ヶ月になりますが、連盟としても、県内有数の指導者を派遣し、この歴史的試みを成功に導くべく、努力してまいりました。中学、高校の必修授業としての空手道指導は、連盟としても初めてのことで、道場での指導と異なり、不慣れな点も多々ありましたが、学校側、特に中学、高校の体育科の先生方との連携により、うまく軌道に乗せることができました。現在、2級以上取得者は高3で91名、高2で69名、高1で134名おり、今後の精進しだいで、沖縄尚学から、毎年100人以上の沖縄伝統空手道の有段者が誕生することも、夢ではないと期待しております。沖尚生の皆さんには、今回初段を取得した3人の生徒さんの後に続くべく、これまで以上に精進していただきたいと思います。

江戸時代に米沢藩で名君と謳われた上杉鷹山は、「なせばなる、なさねばならぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけり」と、困難だがやりがいのある目標に挑戦する気迫の大切さを伝えています。皆さん一人ひとりが段位の取得に挑戦することも意義のあることですが、沖縄尚学の空手道必修授業の歴史的意義は、ひとつの学校の全生徒が挑戦するところにあります。まさに、沖尚生の皆さん全員が、この意義を理解し、「なせばなる」の精神で、沖縄が世界に誇る伝統文化である空手道に精進し、心技体の充実に励んでいただきたいと心から願うしだいであります。

今後とも、沖縄尚学の教育目標である、国際社会で信頼される、文化力のある教養人の育成に、空手道が貢献できるよう、最善を尽くすことをお約束し、連盟を代表しての祝辞とさせていただきます。

   平成22年4月6日
   沖縄県空手道連盟
会長 比知屋義夫